ぽつんと高齢者(2) 老害

戦後日本の平均寿命は著しく伸びた。現在は男女とも80歳を超えている。でもこれは本当に素晴らしいのだろうか。戦後から急速に伸びるのは分かるが、2000年以降も上昇しつつある。少子化とも絡んで老人が目立つようになってきた。そして最近よく聞くようになったのが「老害」という言葉だ。

昔から不老不死を求める物語がいろいろあったが、何歳ぐらいまでを目指していたのだろう。結構古くから平均ではなく特定の長老と言われる人はいたみたいだ。これは僕の勝手な憶測だが長生きする人がいてもいい。本人の意向と関係なく延命を望む家族はいるだろう。

本音を言うと、私はもう余命を伸ばしたいという気持ちはない。ましてや認知症になっても介護されながら生きながらえるのは辛い。こういう話をかかりつけ医に話したところ「大丈夫。認知症になったら、自分が認知症かどうかは分からないから」と言われた。しかし若年性認知症の人と話したときは自分のことを「会社でも(若年性認知症は)レアケースで自分の取り扱いをどうしていいのか困っているようだ」と話していた。決して認知症を自覚していないなどとは言えない。

これは本で読んだのだが、老人ホームで介護をしている人が「部屋へはいると匂いがする。本人は否定するが漏らしている。衣類を取り替えたが、こういうことはちゃんと話してもらえると・・・」という話をしていたが、年を取ってこういう事態が一番いやなのではないだろうか。こうした恥の部分はたとえ認知症でも無意識とは言えないだろう。隠すことでかろうじて自分を保とうとしたのだと思う。

むしろテレビやSNSでうまく口も回らず、話している内容がうまく読み取れていなで、インタビューアーや司会・コメンテーターを見ていると時々「老害」と思わずにはいられないときがある。多分自分がこの場を取り仕切らなければいけない(若者には務まらない)という使命感があるのかもしれない。でも、どこかで若者に立場を譲らなければいけないときが絶対に来る。若者の成長を邪魔する出しゃばり老人は見苦しいし、典型的な老害と言える。ただ、年老いても自分で自分の身の処し方を考え実行していくのは難しい(そういう自覚はない)。だから、そういう場合の周りの人というのは苦しい立場だろうなーと思います。

最近の知事選なんか見てても、なんか老害の発露現象のような気がしてならないんだが?

先日「後期高齢者被保険者証」が届いた。せっかく1割負担になったと思ったら、2割負担に逆戻りである。年をとればとるほど医療費はかさむであろう。確か消費増税は高齢者の医療費・介護費の負担軽減のためだったのでは?

今一人暮らしの不安からパートに出ている。その分が雑収入で増えているため1割が2割に増えているようだ。とにかく年金は減り、医療費や物価は上がりで年は取りたくない。何とか消費税や医療費を取る代わりに命を取ってほしいと思う。そういえば老人ホームで介護者によって(何かトラブルがあったようだ)命をなくし、容疑者が逮捕されたとの事。国は何とか苦しみながら生きること、苦しみながら死ぬこと、苦しみながら殺害すること(容疑者は自殺するつもりだったとか)から解放してほしい。